東大入試2021 感想⑦~総合分析(2次試験)~

訪問ありがとうございます.

今回は2次試験の総合分析です.

 

これまで5回にわたって各科目の感想を述べてきましたが,改めて概観を見てみると

国語:40点くらい(追記:開示は44点)

数学:50点くらい(追記:開示は68点)

英語:95点くらい(追記:開示は95点)

化学:30点くらい(追記:開示は30点)

物理:40点くらい(追記:開示は40点)

 

合計すると255点(追記:開示は277点)くらいになります.

これに共通テストの東大換算得点97.0200点(追記:開示は97.0444点,切り上げの影響)を合わせると,総計352.0200点(追記:開示は374.0444点)となりました.

2021年度の理科一類の合格者最低点が333.2667点,合格者平均点が360.7410点なので,平均の少し下くらいの成績になる計算です.個人的には少し高すぎる気もしていますが,何にせよ開示が来ないと分かりません.

(追記:開示結果は総計なんと374.0444点!もう少しで理IIIの最低点に迫る点数でした.)

 

さて,分析としては,数学で足を引っ張らなかったことと,英語で点差をつけられたことが勝因だったと考えています.国語と理科はおそらく平均点くらいだろうと予測しています.昨年は数学で思うように得点できず,また易化した物理で失敗してしまったという経験があったので,今年はそれを克服できたような感じで嬉しく思います.

 

…と,ここまで書いてきましたが,これはあくまでも予想得点をもとにしているのであって,実際の開示点数とはかけ離れている可能性が大いにあります.英語で点差をつけられた,などと書いていますが本当なのでしょうか.真相は開示が届くまで迷宮入りです.

(追記:予想は正しかったようです.)

 

ここまでご覧いただきありがとうございました.

 

東大入試2021 感想⑥~物理(2次試験)~

訪問ありがとうございます.

今回は理科2科目め,物理です.

物理も数学と同様,時系列に沿って感想をお伝えします.

 

第1問

I

例年通り力学の出題.ここ最近の東大のトレンドである穴埋めが登場.内容自体は簡単なのでサクッと解き終える.

 

II

エネルギー保存や等加速度運動の式を用いれば平易な問題.ここまで詰まったところは特になく気分が良くなった.

 

III

一見単振動の問題だが,角度θをそのまま扱わなければならずやむなくエネルギー保存で計算を進める.

(1)は解けたので(2)に移るが,どうやら何かの条件を用いてv'とgを消去するらしい.何を使うのかしばらく悩み,ようやく問題文に面積速度一定の式があるのを発見.自分の目の節穴さに涙しながら(2)を解き終え,その流れで(3)も片付ける.その後の問題は面倒そうだったので見ずに飛ばしてしまった.

 

第2問

I

(1)は点取り問題.(2)も計算するだけだったので解く.しかし(3)で計算ミスをしたのかうまくいかない.少し焦りながらIIへ.

 

II

(1)は電荷保存などをうまく使って解く.(2)は難しそうだったので飛ばす.

 

III

(1)は解けるのだが(2)がうまくいかない.この時点でかなり焦っているが,思い切って次の問題に移ることを決心し第3問へ.

 

第3問

I

後で知ったのですが,この問題は「光ピンセット」というものを題材にしているらしいです.

そんなことはつゆ知らず,ただの屈折の計算問題だと解釈して計算を進める.特に詰まることなくIを解き終える.

 

II

なんとこの部分はすべて選択問題.Iの内容を踏襲しつつ少し考えて解答し次へ.

 

III

(1)は幾何の問題だ,と思いつつやっていくと何故かうまくいかない.しばらく悩み,図3-6を使うのを忘れていたことに気づき一件落着.(2)も少々時間はかかったものの解き切った.(3)は(2)の結果に代入するだけ,と思い与えられた値を代入した式を書くも,少し形が違ったので書き直す.そしていざ計算,というところで,悲しいかな,試験終了のチャイムが鳴ってしまった.結局計算はできなかった.

 

 

以上をまとめると,

第1問は7割程度,第2問は3割程度,第3問は9割程度

といった出来具合になったと予想されます.

全体としては6~7割程度の得点率かと思います.物理はそこまで得意な科目ではなかったのですが,まずまずの結果となりました.予備校の分析ではやや難化といったところなので,耐えてはいると思います.

 

(追記:開示結果は40点でした.某サイトでは平均点が39.2点となっていたので,あまり難しくなかった,あるいは採点が甘かったり下駄があったりしたようです.)

 

次回は総合分析です.

東大入試2021 感想⑤~化学(2次試験)~

訪問ありがとうございます.

今回は理科1科目め,化学です.

理科は長くなると思いますので,2回に分けて書いていきます.今回も数学と同じように時系列に沿って見ていきたいと思います.

 

第1問

I

例年通り有機化学の出題.文章を読みながら解いていくと,A,B,Cまでは分かるのにDがどうも決まらない.どう考えても不斉炭素原子が存在してしまう沼にはまってしまい10分が経過.これは諦めようと泣く泣く次の問題を見ると,まさかの穴埋め問題.しかも構造が分からなくても解けるようになっていたのでありがたく点数をいただく.

 

II

キ,クは点取り問題.しかしケが面倒くさそう.その流れでコ,サを解く気力もなくなり少々焦りながら第2問へ.

 

第2問

I

水素吸蔵物質の問題.これは類題の経験があれば解き方は分かるのでとりあえず解いていく.ところがカで計算ミスが発覚.萎えて次の問題へ進む.

 

II

アミノ酸の問題.解きやすい問題が多くテンションが上がる.シは計算方法が分からない(計算する必要があるのかもわからない)ので勘で解答.

 

第3問

I

沈殿の滴定の問題.イで間違いを恐れて慎重になるが,計算問題はやるだけだったので普通に解答.

 

II

実はこの時点でかなり時間が押していたので,できれば重い問題は来てほしくないと思いつつ見てみると,まさかの結晶格子の問題.私は結晶格子が死ぬほど嫌いなので即落胆.結晶格子の関係ない問カだけを解いて物理に移動.

 

 

以上をまとめると,私は化学の出来はあまり良くなかったということになります.点数としては30点くらいかと思います.ただ今年の化学はどの予備校も難化と分析していたので悪くはないのかと思います.

 

(追記:開示結果は予想と同じく30点でした.平均か少し下くらいかと思います.)

 

次回は物理です.

 

東大入試2021 感想④~英語(2次試験)~

訪問ありがとうございます.

今回は英語です.私は一応帰国子女なので英語は得点源にしているつもりでした.

この記事では,簡単のため各設問の配点を次の通りに設定しました:

1 (A)10 (B)12

2 (A)10 (B)10

3 30

4 (A)8 (B)15

5 25

 

1.

(A)

例年通り,要約問題が出題されました.ただ今年の要約は少し文章にクセがあったうえに,問題の指示に「10代の若者の気質の変化について」とあったことで,混乱する受験生が多かったのではないかと考えています.私もいつもよりは手ごたえが感じられず,少しふわふわした解答を書き残したままになってしまったので,6点としておきます.

 

(B)

今年は穴埋め問題と並べ替えでした.穴埋めは平易でしたが,並べ替えが難しい.しばらく考えてそれっぽい答えを書いて次に進みました.

記事を書きながら採点をしてみましたが,奇跡的に正解していました.というわけで点数としては満点の12点.

 

2.

(A)

今年も条件英作文の出題でした.暮らしやすい街の条件という割と取り掛かりやすいテーマだったのでサクサク書き進められました.文法ミスなどがある可能性を考えて点数は7点としておきます.

 

(B)

例年通り,といっても2018年度からですが,和文英訳が出題されました.直喩部分や「~さえすればよい」の表現などに気を付ければ平易な問題だったと思います.点数としては8点くらいでしょうか.

 

3.

リスニング問題です.私としては,今年は教室が小さかったので昨年よりもかなり聞きやすかったです.題材も面白いもので,聞きごたえがありました.自己採点結果は,4問ミスで22点でした.胸を張れる点数ではないですが悪くはないと思います.

 

4.

(A)

例年通り誤文指摘問題でした.私はこの問題はリスニング前に焦りながら解くのが通例だったので得点は期待していません.自己採点結果は2問ミスで6点.まずまずです.

 

(B)

やはり英文和訳問題が出題されました.今年の和訳は特に難しい構文や語句もなく,多くの受験生の得点源になったのではないかと感じました.私としてはdivert(転換,迂回)の意味をド忘れしていましたが,文脈から「(他人の注意を)反らす」と訳出できたのでセーフです.得点は13点としておきます.

 

5.

今年は物語というよりは随筆の出題でした.個人的には穴埋めが苦手なのでいつも通り苦戦しました.また並べ替えも自信がないまま書いてしまいました.自己採点したところ,並べ替えと穴埋めは正解でしたが,空所(イ)が間違っており,下線部(A)の説明で具体例を書いていなかったので,点数は21点といったところでしょうか.

 

以上を合計すると,120点満点中95点という予想になります.今年の英語の難易度からすると妥当な点数かと思います.実際,駿台も英語は易化したと分析していたので,平均点は6割前後になると考えています.

 

(追記:開示結果は予想と同じ95点でした.某サイトによると平均点が理系で84.7点と高いですが,差はつけられたと思います.)

 

次回は最後の科目,理科です.

東大入試2021 感想③~数学(2次試験)~

訪問ありがとうございます.

今回は数学です.

まず初めにお伝えしておきますが,私は理系の割に数学がかなり苦手です.実戦模試などでも30点台はざらで,60点あれば健闘,という所謂「数弱」です.その点を予めご了承ください.

 

今回は,実際に私が試験を受けた時の時系列に沿って感想をお伝えしたいと思います.

 

試験開始前

今年は昨年の大教室(法文2号館)とは異なる,30人程度が入る小さな教室が私の会場でした.また机にはボール紙で作られたガードが設置してあり,普段の学習机とはあまりにも勝手が違う中での試験でした.

1科目めの国語(https://thethursday.hatenablog.com/entry/2021/03/20/172846を参照)を終え,いよいよ理系の勝負所である数学の時間です.

不思議と緊張はそれほどなく,落ち着いて配られた問題用紙を眺めて待機.

 

試験開始

ついに始まりました.簡単な問題を選んでそれから始めよう,という東大数学の鉄則が頭に浮かびますが,私はいつもそれに失敗するので思い切って第一問から攻めます.

 

第一問

第一問を見ると,放物線の通過範囲の問題のようです.これは発想がいらない計算問題だ,と思い計算を始めます.

(1)は与えられた条件を式で表せば簡単に答えが出ました.次に進みます.

(2)では放物線を動かすようです.放物線上の任意の点を動かす,いや違うな,(1)を使うはずだ.でも使い方がわからない.ここで5分程度の思考時間があり,少し焦ります.結局いいアイデアが浮かばず,仕方なく放物線の頂点を動かしてみることにしました.

(1)で(a,b)の存在範囲が分かっているので,頂点の軌跡を求めることはできました.しかしこの後どうするのか.なんとなく概形は描けるのですが境界がはっきりしない.結局そこを曖昧にしたまま概形のみを描いて次に進みました.(記事を書きながら解答を確認しましたが概形は合っていました.部分点があるかは分かりません)

 

第二問

第二問は複素数の問題.(1)はただの計算問題なので片付けます.(2)を見てみます.とりあえず実数条件を考えてみよう,とは思いますがその後が時間がかかりそうだったのでひとまず飛ばして第三問へ.

 

第三問

分数関数が題材の問題.(1)は簡単なのですが(2)でつまづく.f(x)-g(x)を因数分解してみるか,とやってみても2乗があるので意味がない.わからないまま第四問へ.

今思えばただ展開するだけでよかったのですが,本番ではそれに気づけなかった.悔やまれる1問でした.

 

第四問

第四問は整数問題でした.私は整数問題が特に苦手なので解ける気がしないと思いつつ問題を見てみると,(1)は合同式を使えば自明だけどそれでは証明にならないな,とりあえず余りをおいてみよう…とやってみるとあっさり解けた.(2)に進む.

(2)は一見できそうにない.とりあえず4a+1を4aにするなどして変形してみるも先が見えない.飛ばして(3)を見るも,これは(2)が解けないと無理だな,と悟り諦めモードに.

ところがここで諦めないのが浪人生.(4)を見ると何やら美味しい匂いがする.2021も37も4で割ったら1やないか,これは(3)が使えそう.計算して答えを出し第五問へ.

 

第五問

数IIIの微分の問題.この手の問題は計算さえできれば正答にたどり着けるので期待が持てる.とりあえず(1)に着手すると,一階微分では何も見えてこない.こういう時は微分しまくればいい,と誰かが言っていたのを思い出し三階微分まで行うと…解けた.

(2)は(1)の流れで解くだけ.難なく突破.

こうしてようやく1完達成.少し気持ちも落ち着いたところで最後の第六問へ.

 

第六問

後から知ったのですが,これはデカルトによる4次方程式の解法が元ネタらしいです.そんなことは知る由もなく,とりあえず展開して計算ミスに怯えながら(1)終了.

(2)に進むも,何かうまくいかない.これは(1)が違うのか,と思いもう一度計算しなおすと完全に間違っていたので書き直し.(2)の解答をなんとなく書いて終了.

その後は前の問題に戻って考え直したりしてみるも,あまり進展はないまま試験終了.

 

結局,結果は大数風に書くと

①〇△②〇×③〇×④〇××〇⑤〇〇⑥〇△×

1完5半(半,といっても配点が分からないので10点ではありません)でした.点数にすると50点くらいかと思います.

 

(追記:開示結果は68点でした.予想よりかなり高いので,採点は甘めだったのかもしれません.)

 

私としては,数弱にしては頑張った方かなと思いました.また去年よりは誘導も多く解きやすかったのかな,と感じながらキャンパスを後にしました.入試の数日後に予備校の評価を見てみると,どうやら今年の数学は昨年より難化したようでした.というわけで,今年は数学は健闘したのかな,という感じです.

ちなみに,合格発表後に出身高校に報告に行った際,数学の教師に今年の東大数学の感想を聞いてみると,あんなん簡単やで,方針に悩む問題なかったやろ,と言われてしまいました.私はまだまだ未熟です.

 

次回は英語です.

 

東大入試2021 感想②~国語(2次試験)~

訪問ありがとうございます.

今回から2次試験編になります.

まずは国語です.

 

現代文(評論)

今年の現代文は,個人的に易化したのではないかと思います.

全問とも傍線部の説明問題で,傍線の近くをまとめれば概ね解答が完成するような感じでした.漢字の書き取りもすべて平易でした.

後述しますが,古典がとても難しかったので,現代文できちんと得点を稼げているかがカギになったのではないかと感じています.合計で25点くらいは取れているのではないかと思います.

 

古文

今年の古文は落窪物語からの出題でした.和歌は含まれていませんでした.

はっきり言って,今落ち着いて読んでも意味が分かりません.私は実戦型模試で古文全国一位をとったことがある程度には古文に自信があったのですが,本番中これを読んだときは寒気がしました.

記事を書きながら代ゼミの解答を確認してみましたが,(一)ウと(二)半分くらいしか正解していない気がします.古文全体で7点あれば良い方かな,というのが正直なところです.

 

漢文

今年の漢文は漢詩のない文章が出題されました.

古文ほどではありませんでしたが,やはり答えが書きづらい問題が多く苦戦しました.書いてあることは大方読み取れるのですが,何せそれを文字にするのが難しい.得点としては10点くらいかと思います.

 

以上を合計して,合計得点は40点くらいになるかと予想しています.合格者平均,あるいはそれより少し低い程度といったところでしょうか.

私としては,国語はそこまで足を引っ張った科目ではなかったようには感じました.

(追記:開示結果は44点でした.内訳は不明ですが順当な点数だと思います.)

 

 

次回は数学です.

 

東大入試2021 感想①~共通テスト~

訪問ありがとうございます.

今回は東大入試の第一関門である共通テストの感想をお伝えします.

 

まず,私は1浪しているので,センター試験と共通テストの両方を受験しています.

2020年度のセンター試験の成績は次のようでした:

国語 138(内訳は忘れました)

英語(筆記) 193(リスニングは46)

数学 IA 90 IIB 94

物理 85

化学 84

世界史B 74

合計 758(東大換算92.6444)

 

国語がカス過ぎます.理科も酷いですね.本当に理系なのでしょうか.

 

さて,問題は今年の共通テストですが…(まだ開示前なので自己採点です)

(追記:開示と同じ結果でした.)

 

国語 172(現94/古39/漢39)

英語 R 100 L 93

数学 IA 84 IIB 100

物理 71

化学 72

世界史B 89

合計 781(東大換算783.8→95.7978)

 

意味が分かりません.理科の点数が分かった時,「あ,落ちたな」という予感がしました.ところが後日,大学入試センターから理科の得点調整を行うとの通知が.これは嬉しい誤算です.さっそく換算表を見ながら計算しなおすと,

物理 76

化学 77

合計 791(東大換算793.8→97.0200)

 

10点も上がりました.万歳.ただ得点率は87.9%と,9割には届きませんでした.ただ今年の共通テストは9割越えの受験生が昨年よりかなり減っていると聞いたので,一応耐えだと思います.

 

各科目の所感は割愛しますが,これだけは言いたい.

理科は東大受験生ならもっと取れます.

受験生の皆さんはこんな屑のような点数を取らないよう頑張ってください.

 

次回は2次試験編です.